「第31回大会(2018年度)賀川豊彦学会が行われました」
2018年9月7日(金)13時より2018年度の第31回賀川豊彦学会大会・総会が盛況のうちに開催されました。
研究発表では、次の二件の発表がありました。
庾凌峰氏(兵庫教育大学大学院)からの「『台湾日日新報』から見る賀川豊彦と台湾の関係―大正期・昭和戦前期の台湾訪問を中心に−」が題した発表では、『台湾日日新報』の紙面から、賀川が台湾訪問時において台湾人向けの伝道活動を行なっていたこと、また賀川の思想が施乾(シコン)、董大成(トウタイセイ)、林国煌(リンコクコウ)といったエリートたちを通して近現代台湾社会で実践されたことが論じられました。
また加山久夫氏(明治学院大学名誉教授)からの「賀川豊彦と中島重−賀川『国家論』の解釈的展開の試み」と題した発表では、中島の国家論から賀川に欠けていた国家論を補いうる可能性があるのではないか、と論じられました。
その後、学会総会を挟み、小南浩一氏(兵庫教育大学教授)より「賀川豊彦と日本国憲法」と題した基調講演が行われました。講演では、現代の日本国憲法改正の課題を提示しながら、賀川の労働観、平和思想、国家観、歴史観を辿りつつ、賀川が提唱した世界連邦運動の意味するものとは何か、が語られました。
講演会後に懇親会が行われ、和やかな雰囲気の中で、美味しいお食事をいただきながらの交流と出席者の皆様の自己紹介・近況報告タイムがありました。
また来年の大会でお目にかかりましょう!